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【 立原道造 ヒヤシンスハウス 幸せはどこにある? 】

【 立原道造 ヒヤシンスハウス 幸せはどこにある? 】

 決して、家族と疎遠な訳ではありませんが、仕事の都合上、単身赴任が長く続いています。一人暮らしで、アパートだのマンションだのという四角い箱の様な空間で日々を過ごしていると、こじんまりとしてていいから、もっと快適な一人向け住空間はないものか?と思ったりします。

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今暮らしている部屋は十分に機能的なのですが、画一的で効率最優先です。心が安まる住まいとは・・・ちょっと言えません。「 建築は住む為の機械である 」という名言を残したのはル・コルビジェだそうですが、彼の建築は決して、効率や機能性だけを追求したものではなく、美的感覚も重視しています。オヒョウは、機能的で美的で、そして住んで心安らぐ、一人向けの住まいがあれば・・・素敵だなと虫のいい事を考えます。

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具体的にイメージするとすれば、スペイン映画「エル・ニド」に登場するおとこやもめの主人公が、森の中で暮らす平屋の家です。この場合は、通常の住まいですが、欧州には週末別荘として小さなコテージを持つ人はたくさんいます。 別荘を持つなどというと、プチブル趣味で、オヒョウは抵抗を感じますが、その多くはヴィラではなく、あくまでコテージであり、もっといえば、物置か炭焼き小屋(ケビン)に近いものも多くあります。

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ドイツを鉄道で移動すると、面白い光景を見ます。大都市の入り口の田園地帯に、100坪も無いような、狭い畑が並んでいる一角があります。その畑には、必ず物置に近い様な小さな小屋が併設されています。話に聞けば、これがドイツの都市住民の週末別荘・・というより週末菜園というか週末庭園です。 都市部のマンションに暮らす人々は、週末になると、その小屋に移動し、野菜を栽培したり花を育てたり、自然観察して暮らすのです。

確かに目抜き通りはきらびやかだけれど、多くの街路が無機質で冷たい印象を受けるドイツの都市に暮らすには、そういう息抜きが必要だと思います。細かく区切られた土地は、安い価格で市が貸し出すのです。その週末庭園の区域は、都心をぐるりと取り囲む様に配置されており、空港から都心に移動する際にも目にします。

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オヒョウはドイツ人の知人に質問しました。

「 しかし、季候の厳しいドイツでは野菜といっても、キャベツ、ダイコン、ニンジン、ジャガイモくらいでしょう?」

「 それで十分ではないですか? それに野菜が嫌ならバラなどの花を育てればいい 」

「 暗くて寒い冬の季節は、どうするのですか? 」

「 冬も、この週末別荘で読書などで静かな時間を過ごすのです 」

なるほど、日本では晴耕雨読ですが、ドイツでは夏耕冬読という訳ですね。これは合理的です。ポイントは行政がこのサービスを安い料金で市民に提供していることです。ちょっと工夫すれば日本でも実現できる事です。

しかし、ドイツの庶民の週末コテージはあまりにも、ささやかです。もうちょっと、暮らしやすい住まいはないものか?

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オヒョウがそこでイメージするのは、夭折した詩人、立原道造が設計したヒヤシンスハウスです。 彼は元々建築家ですし、詩人として活動した期間はあまりにも短いのですが、彼の詩はまだ生きています。

訪れる死を見据えながら、なお「幸せはどこにある」と哲学的な問いかけをするフレーズが、オヒョウには特に印象に残ります。

その立原道造が、一人で暮らすために設計した質素な家ヒヤシンスハウスが、週末別荘として最適であると、オヒョウは考えています。

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実存しないこの家を何時か山間の僻地に建て、静かに暮らしたいものだ・・と思っていましたが、先日インターネットで、このヒヤシンスハウスが実在する事を知りました。埼玉県の公園にあるそうで、立原の夢を実現するとは、奇特な人もいるものだ・・と思いました。一度見に行こうかな・・? でも止めておこう。もしオヒョウの考えるイメージと異なっていたら幻滅するから・・・。

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日本では団塊の世代の一斉退職で、晴耕雨読の日々を志す人が増えています。また非婚化、離婚の増加で一人暮らしの成年も増えています。そして、地方の過疎地では、高齢化と人口減少で、耕作放棄地が増えています。

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また首都圏辺縁部の県には、永住型別荘(本質的な矛盾を持つ表現)と称して、民間デベロッパーが都会を離れる人向けに住宅を供給していますが、問題が多くあります。週末別荘と永住型住宅を意図的に混同して、劣悪な物件を斡旋してトラブルになったり、地域社会に溶け込まない新住民を生み出したりしています。

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ここは行政主導で、菜園付き週末別荘や単身者向けコテージ・・・即ちヒヤシンスハウスを提供すべき時です。 それで多くの問題が解決できます。

今の時代でも、お金をかけずに国民を幸せにする方法はあるのですが、政治は無頓着です。旧政権の悪を炙り出して反対党を非難するのに忙しいのか、予算の削減に忙しいのか・・・は分かりません。

あるいは、鳩山首相には、別荘と言えば、軽井沢にある広大な自分の別荘しかイメージできないのかも知れません。


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笑うオヒョウ

はっこう先生 niceをありがとうございます。
ベーシックインカムの話を大変興味深く読ませて頂きました。
昔の景気の良かった頃の日本では一顧だにされなかった提案でしょうが、
昨今の経済情勢では、非常に真実みを帯びた内容であると考えております。
by 笑うオヒョウ (2009-11-23 19:59) 

夏炉冬扇

お早うございます2。
拝読。思考の深さ、見分の広さには付いて行けませんが…

私は寂しがり屋なので一人はダメです。

自宅が居住の場所ですが、里の家で畑・故郷・お寺・ぎゃらりぃ等「昔から今に連なる人と空間」を楽しんでいます。

空き家や非耕作地あちこちですから、確かに行政の工夫の余地ありますね。
by 夏炉冬扇 (2009-11-24 08:24) 

笑うオヒョウ

夏炉冬扇さん コメントありがとうございます。

ブログを拝読する限り、夏炉冬扇さんの暮らしは、オヒョウの理想とするものに近い様に思えます。 「帰りなんいざ」とばかりに辞表を書いて、晴耕雨読の日々に入れたらいいだろうな・・・と何時も思うのですが、不要家族・・じゃなかった扶養家族を抱え、サラリーマンの生活を止める訳にはいかないのです。

潔く宮仕えを辞めた宮沢賢治や陶淵明をうらやましく思ったりしております。
またコメントをお願いします。
by 笑うオヒョウ (2009-11-24 11:16) 

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