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【 ジャンケンより先に殴り合え その3 】 [航空]

【 ジャンケンより先に殴り合え その3 】 

当時のオヒョウの勤務先は、関経連の会長を出している主要企業であり、自社の利権やビジネスとは関係なく、関西新空港を推進する立場にありました。 過激派に襲われ、第二期工事になかなか着手できず、もたついている成田空港を見て、 関西により便利な第二空港を建設して関東を出し抜こう・・・という、考えというより執念を持ったのは関経連会長の日向方斉氏です。 空港が完成したのは彼の没後ですが、関西新空港完成の日に一番機に搭乗した息子の日向宏太郎氏(東芝取締役:当時)は方斉氏の遺影を抱いていました。

 

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 しかし、冷静に考えれば、国際空港を1つ作ったところで、関西の地盤沈下を食い止めることなどできなかったはずです。その頃、オヒョウが大阪本社に出張すると、壁にポスターが貼ってあります。 そのポスターは、夜の滑走路が見える操縦席の写真で、機長の右手がエンジンのスロットルに掛かっています。「午前0時テイクオフ」というキャッチフレーズがあり、「日本初の24時間空港を!」という文言が続きます。

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24時間空港がそんなに重要なのですか?」と言うと、先輩が

「あたりまえじゃないか。国際線を飛ばすなら24時間でなきゃ。製鉄所にいてわからないのか?」

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実は、いろいろな社会インフラや工場の生産設備について、昼間だけ稼働させるべきか、それとも夜間も稼働し昼夜操業あるいは24時間操業とすべきかは、かなり難しい問題です。経済的な事情もありますがそれ以外の理由もあります。

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オヒョウが勤務した製鉄所は、高炉や転炉など、さまざまな高温設備を持ちますし、高額な設備の減価償却を考えれば24時間操業は必然です。今、オヒョウが勤務する機械加工の工場では、夜勤も稼働させて稼働率を上げる加工・熱処理工場と、昼間だけ稼働させる組立工場に分かれます。 それぞれに理由があります

(詳しくは言いませんが)。

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社会インフラの場合は、極力24時間が望ましい訳ですが、敢えて鉄道の新幹線などは、深夜・早朝は、ご承知の通り運転していません。

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国際空港の場合、どうか?高価なインフラを有効活用するには、24時間操業が適当です。同じく高額で減価償却額が大きい航空機を持つ航空会社も、昼夜の別なく24時間稼働させた方がよい訳で、確かに24時間空港は歓迎されます。

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では乗客は・・・・? 実は24時間空港化で、ある程度便利になるのですが、それほどでもありません。(詳細は省略しますが)深夜や未明の発着便は、格安エアラインやチャーター便での利用者に限られるかも知れません。 後は確実に貨物便の利用が増えます。

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この状況はJRと似ています。線路は24時間使えるけれど、旅客列車は昼間に多く、夜間は一部の夜行列車と貨物列車が主体になる・・という訳です。 もし、JRの線路の輸送量を倍にしたいなら、夜間の列車本数を増やすのではなく、複々線化が合理的です。

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同様に、空港の場合も、オープンパラレルという並行滑走路を設ける事で輸送量は増やせます。 24時間空港化は、滑走路を1本しか持たない場合に、増え続ける航空需要に応える苦肉の策とも言えます。

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確かに、成田空港も羽田空港も伊丹空港も24時間空港でないのは欠点であり、関西新空港がその欠点を持たないのは事実ですが、それが絶対的な条件とは、オヒョウには思えません。

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24時間空港化にこだわるなら、当面2本目の滑走路はないな・・と思ったのですが、関西新空港は操業開始後、早い時期に平行滑走路の建設を始めました。まだ便数も旅客数も少なく、滑走路1本でさえ、ガラガラだったのに・・です。

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それどころか、関西新空港の建設で断念されたはずの神戸沖の空港も復活しました。これらは全て航空需要の増加に対応するためではなく、地元の土建業者とゼネコンに仕事を与えるためのプロジェクトです。新しい空港はそのために利用されたのです。でも滑走路の本数や利権の話は、一番大きな問題ではありません。最も大きな点は、関西新空港が特殊会社という名の第三セクターである事です。

それについては、次回申し上げます。


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コメント 4

おじゃまま

おかしなコトがいろいろとあるのですね〜。
確かに、24時間にしたってあまり効果なかったみたいだし。
アクセスも悪いし、空港までの交通費も馬鹿にならないし…。
by おじゃまま (2010-04-19 09:06) 

牛肉麺

他人の財布を痛めても自分と関係ないと思っていらっしゃるでしょう。その他人は自分の親兄弟でしたら、いつかツケが回ってくるという認識はまったくないですね。一部人の利権のために、関西に限らず、国民があとどれぐらい代償を払えばいいですか。
by 牛肉麺 (2010-04-19 11:09) 

笑うオヒョウ

おじゃまま様 コメントありがとうございます。

24時間空港はそれほど便利ではありません。例として北米(東海岸)線と欧州(ロンドン)線を考えます。目的地は地球の裏側ですから時差は-8時間、あるいは14時間(夏時間の場合は違います)、飛行時間は12~14時間ですから、深夜に日本を出発すると、相手の国の到着も深夜になります。これでは現地での滞在時間を損しますし不便です。深夜出発便が便利なのは、アジア・オセアニア線の一部に限られます。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-04-19 12:27) 

笑うオヒョウ

牛肉麺様 コメントありがとうございます。

かつて大前研一氏は、関西新空港の建設を推進した政治家や財界人は胡散臭いひとばかりだったと、語っています。自分の腹が傷まない税金を湯水の様に使って私腹を肥やす輩・・が空港建設に群がったのは、否定し難いと私も思います。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2010-04-19 12:33) 

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