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【 キャンディーズの時代 】

【 キャンディーズの時代 】

スーこと、田中好子さんが亡くなりました。キャンディーズにそれほど思い入れがある訳ではありませんが、一時代を築いたアイドルであり、彼女の死はとても悲しい事です。キャンディーズは、今、星の数ほどあるアイドルグループの先駆けでした。実際、キャンディーズの前と後では、明らかに若者達の生き方や考え方に違いがあります。

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プレ・キャンディーズの時代、インテリの若者はもっと硬派でした。考えが正しいか否かは別にして、大学生は哲学書を読み、政治を語りました。しかし、60年代後半から70年代にかけて先鋭化し、その結果、挫折だけをもたらした学生運動の後、若者達は政治やイデオロギーを表立って語らなくなりました。その代わりにアイドルタレントの尻を追いかける人々も登場しました。それ以前の大学生も、女性タレントや歌手のファンになりましたが、これは一種のパロディであり、韜晦趣味として、少女タレントのファンを気取ったものです。彼らの根はまじめでした。

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ポスト学生運動・・というか、アプレ・学生運動の時代、学生はノンポリ化し、一部の人はコンサートの追っかけを始めました。タレントの後を追いかけ、コンサートでは名前を連呼し、嬌声をあげました。音楽を聴こうとする者にははなはだ迷惑な話です。お揃いの法被を着て、親衛隊だのオフィシャルファンクラブを作って、公然とアイドルタレントの(ファナティック)ファンであることを誇示しました。私の知る限り、外国でこの種のファンクラブがあるという話を聞いたことがありません。まして大学生が・・・。

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大学生を含めた若者がアイドルタレントに熱を上げる事を、当時の大人達は、嘆かわしく、かつ苦々しく思っていたようです。テレビの討論番組で「大学の勉強よりもキャンディーズの追っかけをする方がずっと価値がある」と語る20歳くらいの青年に対して、評論家の竹村健一らが、苦笑いしていたのを記憶しています。

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私は、逆説で考えますから、若者が硬派でなく軟弱な存在であっても許される社会というのは、幸せな世界なのではないか?・・と思います。ファンクラブの青年達の生き方を肯定する訳ではありませんが・・。

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そしてもう一つの事を考えます。キャンディーズの登場はちょうど学生運動終息のタイミングだったのですが、これが他のアイドルグループだったらどうだったろうか?という点です。ピンクレディやオニャンコクラブではこの現象は成立しなかっただろうと思います。

キャンディーズが対象としたファン層は、他のアイドルグループと異なり、かなり限定されます。歌に登場するのは、10代後半から20代前半までの青少年であり、それだけピンポイントでファンの心を掴む事ができたのです。

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やはりキャンディーズは特別であり、エポックメーキングだったと改めて思います。そして田中好子については、アイドル引退後の転身と活躍が実にスマートでした。

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少女時代に高い人気を誇っても、やがて少女ではいられなくなるのがタレントです。きっぱり引退するのも一つの選択ですが、本格的な女優になるのも一つの選択です。しかし、凡百のアイドルタレントには、大人になってからの活路を見出す事ができません。その中で田中好子は、落ち着いた存在感のある女優に脱皮しました。

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アイドルタレントだけではありません。私の様な平凡なサラリーマンでも、若い頃と壮年になってからでは、自分の体力・知力、環境、立場が異なります。状況に応じて変化する必要がありますが、それが難しいのです。私などは年をとっても相応に成長・変化できません。全くダメです。それに比べて田中好子は見事でした。

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花散りて、けふを微笑み忌と呼ばん 

実際、彼女は微笑みが本当に似合う女性でした。


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夏炉冬扇

今晩は。
葬儀はひっそりとやって欲しかったです。
by 夏炉冬扇 (2011-04-25 22:55) 

笑うオヒョウ

夏炉冬扇様 コメントありがとうございます。

私もお葬式は静かな方がいいです。

生前の彼女の肉声を流したそうですが、
元気な頃の声ではなく、なくなる少し前の
か細い声だったので、何とも辛いです。

でも元気な頃の声だったら、余計悲しいかも知れませんね。

あまりいい趣味ではなかったのかも・・と思います。

またのコメントをお待ちします。
by 笑うオヒョウ (2011-04-26 01:32) 

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