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【 P―1じゃなくっちゃ 】 [航空]

【 P―1じゃなくっちゃ 】

 

日本の海上自衛隊の能力で、特に評価が高いのが対潜哨戒能力と掃海能力(機雷除去)だと言われます。原子力潜水艦や正規空母は持たないけれど、P-3CP-1といった対潜哨戒機は充実しています。それがどんな意味を持つかといえば、ロシアの極東艦隊や中国の海軍が太平洋に進出するのを防止する役割になります。特にロシアと中国は原子力潜水艦に力を入れており、それらが太平洋に進出する際、日本の対潜哨戒能力が邪魔になります。

P-3Cの役割はオホーツク海の流氷観察だけではないのです。

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名機とされ、長い間活躍してきたP-3Cですが、後継のP-1にその座を譲りつつあります。そうはいっても、引退には早いので中国と対峙する東南アジアの諸国で第二の人生を送ることになりそうです。

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「早く新型哨戒機に替えなきゃ!」と部外者の私が感じたのは、2001年の北朝鮮の工作船騒動の時です。あの時、前面に出て銃撃戦に応じたのは海上保安庁の巡視船ですが、上空には自衛隊の対潜哨戒機P-3Cが飛んでいました。1999年の能登半島沖の不審船事件のように防衛長官(当時)が「海上警備行動」を発令していれば、自衛隊の出番だったのですが、そうはなりませんでした。もしそうなっていたら、歴史は変わっていたかと思います。

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P-3Cが北朝鮮の工作船が沈没するまで、上空から撮影していたのですが、最後に破れかぶれになった工作員が、携行型ミサイルRPG7 2発を発射する場面が映像に映りました。慌てたのか、やけっぱちになったのか、方角も定めずに発射したミサイルは見当違いの方向に飛んでいき、P-3Cには命中しませんでしたが、もし精確に狙いを定めて発射していれば、命中したかも知れません。

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RPG7は、西側のスティンガーのようにランチャーを肩にかけて、そこからミサイルを発射するもので、戦車や航空機を狙います。あとで海底から回収された武器には、さらに強力な携行型誘導ミサイル9K310イグラあります。もしこれが至近距離から発射されたら、フレアもチャフも間に合わず、P-3Cは撃墜されたはずです。

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P-3Cはターボプロップつまりプロペラ機です。もともとはロッキードエレクトラという旅客機です。当然スピードはジェット機より遅く、ミサイルに狙われたら回避する余裕はほとんどありません。今、導入が進みつつあるP-14発のターボファンでかなり優速です。勿論、ロケットエンジンで飛ぶミサイルよりは遅いのですが、発射されてから命中までの時間が稼げます。

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自衛隊の場合、P-3CP-1になっても、E2-C/E2-D早期警戒機やV-22オスプレイがプロペラ機として残ります。私は、練習機や連絡機は別にして、自衛隊の固定翼機は、ターボファンエンジン(つまりジェット機)であるべきだ・・と私は思います。現実に射撃されたり、ミサイルが飛んでくることがあるのですから。

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以前、尼崎にある住友精密工業の工場に何度か行ったことがあります。この工場では、航空機のプロペラや降着装置を作っています。プロペラはP-3Cのプロペラが主ですが、いずれこの仕事がなくなると話していました。宇宙航空事業部では降着装置やエンジンのオイルクーラーに軸足を移すとのことでしたが、時代の流れです。

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私が知る限りでは、自衛隊の航空機に向けて実弾が発射されたことが他にもあります。旧ソ連の原子力潜水艦で火災が発生し、浮上した状態で日本の領海に侵入した時です。接近した自衛隊のヘリコプターに向けて、潜水艦のブリッジから信号弾が発射されました。この時も当たりませんでしたが、もし命中していればヘリコプターが墜落した可能性もあります。

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マスコミは北朝鮮の工作船事件の時、撃たれた巡視船については報道しましたが、自衛隊については殆ど触れませんでした。北朝鮮やソ連/ロシアから、自衛隊の航空機が撃たれた・・という事実は、護憲を信条とする左派系のマスコミにとっては、何とも都合が悪いのです。

現行の憲法の前文には、平和を求める諸外国と協力して・・とあり、周辺諸国は平和的で攻撃してこない建前になっています。それが否定されるのは困るのです。

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しかし、実際には自衛隊の航空機は危険に曝されています。そのことを国民は知るべきです。最近、FCS(火器管制レーダー)の照射を受けた事実を政府が公表するようになったことはいいことです。 今後も、例えばスクランブル発進した自衛隊機に相手がどのような対応をしたかを正確に発表すべきです。中国やロシア、南北朝鮮は平和勢力で軍事行動はとらない・・・と主張するマスコミの嘘が明らかになります。

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すると今度は、相手がエスカレートしていよいよミサイルを発射してくるかも知れません。機動性に優れるP-1は、飛来するミサイルをひらりをかわし、正当防衛の反撃をすることになるかも知れません。でも相手が韓国なら、絶対にミサイル発射を認めないでしょうね。

文大統領は、「あれはミサイルではない。飛翔体だ」と主張するかも知れません。

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悲惨な状態にある韓国経済を、順調であると強弁する大統領です。北朝鮮のミサイルをただの飛翔体と言い張る人物ですから・・・、多分、彼は馬を見ても鹿と言う御仁でしょう。


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【 飛ぶかMRJ再び その3 】 [航空]

【 飛ぶかMRJ再び その3 】

 

名機と呼ばれ、多くの機体が売れ、そして長期間愛用される飛行機には共通点があります。それは機体設計の余裕です。 設計の冗長性と言ってもいいかも知れません。

例えば、軍用機のB-52は名機の一つです。爆撃機という殺人のための機械であることは遺憾ですが、航空機としては優れています。1950年代に登場したこの大型爆撃機は、もっと後に登場した爆撃機(B-58やF-117)が早々と全機引退するなか、今も生き延びています。エンジンを載せ替え、アビオニクスと呼ばれる、飛ぶためのシステムを新型に更新し、生き残っています。アメリカには、冗談でなく親子三代にわたってB-52のパイロットだったという家族がいるそうです。もうじき、ひ孫がB-52に搭乗するかも知れません。

同じようにC-130ハーキュリーズという輸送機も大変な長寿命です。 旅客機で言えば、ボーイングB-737B-747、ダグラスDC-8の長寿命です。戦前のDC-3も長寿命の名機の典型です。

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それらの機体が長く使われる理由の一つは、設計に余裕があることです。その余裕のお陰で、いろいろな改造ができ、幅広い用途に使え、主要部品を新型に変えるだけで、バリバリの現役を続けられます。

また、小規模な設計変更だけで、多くの派生型を生み出せるのも特徴です。DC-8は、長胴型にして乗客定員を増やしましたし、B-747ジャンボや、B-737 A-320は、自由自在(と言うと言い過ぎですが)胴の長さを変えて、乗客定員を変え、そして航続距離も変えています。

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最近、三菱航空機は定員70人の小型化したMRJを開発すると言っていますが、もっと早く着手すべきでした。今回の発表も、米国のコミューター路線に飛ばすために、重量を軽くするための対策と思われます。 そんな弥縫策を 今頃議論してどうなるのか?

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MRJが高性能を狙い過ぎたために、限界に近い設計となり、余裕が無いことは素人目にもわかります。 限界設計はゼロ戦以来の伝統なのか? とりわけ狭すぎる貨物室は大きな問題です。 米国のビジネスマンが日帰り出張に使うのなら、機内持ち込みのアタッシェケース一つでよく、座席の上の荷物棚だけでOKです。 しかし、アジアを飛ぶLCCに使うなら、容量が全く足りません。アジアで国際線に乗る人々は、皆さん大きな荷物を運びます。行商でもやるのか、あるいは夜逃げでもしてきたのか?と思うほどです。

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もしアジアのLCCMRJを採用すれば、貨物室の容量不足がすぐに顕在化するはずです。

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一見、無駄に思えても冗長性を持たせることで、機械やシステムが堅牢になり、使いやすくなり、寿命が長くなる・・というのは飛行機だけではありません。 建築家ル・コルビュジェは「建築は住むための機械である」と言っていますが、機械として眺めれば、家屋のゆとりは本当に必要です。

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私はロンドン時代、郊外の古い家に暮らしていました。1900年代に出来た家で、V2号の爆撃を逃れた家ですが、快適に住むことができました。それはユーティリティ空間がふんだんにあったからです。暖炉の使用が禁止され、セントラルヒーティングになっても、配管を通す空間には困りません。インターネット回線を引くための空間も十分あります。昔の家は余裕があったから、100年経っても居住に堪えるのです。 冷暖房装置を付け、トイレを新しくし、窓をアルミサッシュにする事で、十分に使えます。 最近、日本で流行りの古民家も、ゆとりのある空間、冗長な設計が重宝されているのです。

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飛行機に話題を戻しますが、飛行機もロングセラーになるための条件は同じです。自由自在に改良できるゆとりが大事です。そして発売当初は不人気でも、やがて評価される機体を目指すというのもありです。ある意味で設計者冥利とも言えます。実は堅牢な飛行機設計で有名な土井武夫技師が設計したYS-11がそうでした。頑丈で故障が少なく、使い込んでいくうちに評価が上がったのですが、その前に早々と生産中止になってしまいました。

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三菱重工/三菱航空機の経営者が、30年先を見据えて、腹をくくってMRJを世に出すかどうか・・・問題の本質はそこです。

でもそれ以前に、三菱重工は、東大の船舶と航空の出身者が、覇権争いをしているようではだめですね。エンブラエルの経営者に笑われますよ。それとホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格CEOにも笑われますよ。


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【 飛ぶかMRJ再び その2 】 [航空]

【 飛ぶかMRJ再び その2 】

 

前回も申しましたが、新規に参入して顧客を得るには、他社との差別化、あるいは他社が模倣できない何かが必要です。 

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ホンダジェットは、MRJとは飛行機の大きさも顧客も全く違うので、比較にはならないのですが・・・ホンダジェットの売れ行きは好調で、MRJと対照的です。広いキャビン、低燃費、最高速度等、ライバルを凌駕する点は幾つもあったのですが、最大の特徴は主翼の上にエンジンを乗せた独特の形状が目立ちます。

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MRJにも、本当は一目見て三菱製だと分かる何かが必要です。しかし、日本では知らぬ人のいない三菱重工ですが、海外で航空機メーカーとしての知名度は低く、三菱製だと分かっても、「だからどうなの?」となってしまいます。 

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では売れ行き不振のMRJをどうするか?

取りあえずは、米国型式証明取得のための、仕事を急ぎますが、併行して、大幅に改良したMRJ改の開発を進める必要があります。 飛行機は新型機の型式証明を取得するのは難しいのですが、既存の機種の派生型という扱いなら、比較的短時間で取得できる可能性があります。

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改造する方向は、一言で言えば2極分化です。 一つは、増加タンクを吊ってでも積載燃料を増やし、航続距離を延ばすタイプです。河野外相が世界中を飛び回るのに使える飛行機を・・・というなら航続距離11000Km以上で、パリ=東京間をノンストップで飛ぶ飛行機が必要です。 その代わり、重量は大きくなりますから、必要な滑走路は長くなります。でも大都市の主要空港だけを考えるなら、滑走路長の問題はなくなります。

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今世界の小型旅客機やビジネスジェットで航続距離1Km以上の飛行機は限られます。 乗客定員は少ないけれど、大型ジェット機と同じように、東京=ニューヨークをノンストップで飛びますよ・・という飛行機なら、必ず一定の需要はあります。

滑走路の長さと航続距離がトレードオフというのなら、逆に短距離で離着陸を追及する方法もあります。

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今、日本では定期便が飛ぶ空港の多くは、滑走路を1200m以上に延ばすことでジェット機対応が終わっていますが、まだ取り残された飛行場は幾つもあります。

新潟県の佐渡空港、福井県の福井空港、東京の調布飛行場などですが、それらの地域は新幹線の恩恵も乏しい地域です。

「国内線だし長距離飛ぶ必要はない。その代わり、近くにある小型の飛行場を利用させて欲しい。それもジェット機で・・・」という声も必ずあるはずです。 三菱航空機には三井物産、三菱商事、住友商事といった大手総合商社が軒並み出資しています。マーケッティングの権化とも言うべきトヨタも出資しています。しかし、彼らが本当に地道な市場調査を行ったのか? 私には疑問です。

 

以下 次号


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【 飛ぶかMRJ再び その1 】 [航空]

【 飛ぶかMRJ再び その1 】

 

https://nkbp.jp/2HdQzqY

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/021900056/041600005/?P=2

 

初の国産ジェット旅客機MRJが難しい立場に置かれています。米国での型式証明取得に苦労しているからですが、試作機は空を飛ぶけれど、お客には売れない・・というのは実に困った事態です。これは、米国の嫌がらせではないか?これこそトランプ大統領が叫ぶ「非関税障壁」ではないか?と言いたくなりますが、問題は数多く、解決は容易ではありません。

既に多くのマスコミで報じられている内容で、今更列挙することでもありませんが・・・。

 

1. 電装品や配線の全面見直し

落雷時に電装品が守られる様に、配線の位置や仕様を米国の規格に変更する必要が生じ、MRJは全面的に設計を見直ししています。本当に必要な設計見直しなのかは、私には分かりませんが、アメリカで型式証明を得るには必要なことでしょう。なぜ、今頃になって?という思いはあります。アメリカの技術者は早い段階でこのことを知っていて黙っていたのでしょうか?

 

2. 重量オーバー

https://newspicks.com/news/1737661/

米国では、大手のエアラインのパイロットと近距離の地域航空(コミューターエアライン)のパイロットが共生できるように、機体重量で分けて、一定以上の大きさの飛行機は大手のパイロットが、一定以下ならコミューターのパイロットが操縦する決まりです。つまりコミューター航空のパイロットには大型の飛行機は飛ばせません。MRJはコミューターエアライン用の規格をわずか600kgですが、重量オーバーしています。もともと単通路で定員100以下の小型旅客機で、コミューターエアラインを狙ったMRJには非常に困った問題です。 わずか600kgといっても、限界まで軽量化した後の600kgですから、燃料を減らして航続距離を短くするか、座席を減らして乗客定員を減らすか・・・いずれにしても、性能ダウンとなる対策が必要です。これについても、なぜ今頃になって?という思いもありますが、三菱サイドは、どうせ重量規制は緩和されるだろうと、タカを括っていたようです。

 

3. ボーイングとエンブラエルの提携

MRJが北米で販売していくためにはボーイングの協力が欠かせません。またMRJを作る三菱は、ボーイングの下請けもしていますから、ボーイングと喧嘩する訳には行きません。MRJのコンセプトは、ボーイングの製品と競合せず、ボーイングの協力を得やすい旅客機ということだったのですが、そのボーイングがMRJの最大のライバルである、エンブラエルと提携したというのですから、これは驚天動地です(例えが古いですが)。

エンブラエルは全世界で実績があり、特に北米市場でシナジー効果が見込めるボーイングとの提携で、リージョナルジェットの市場で俄然有利になります。一方、MRJは小早川に裏切られた後の石田三成軍のようなものです。

 

4. スカイウェスト社のキャンセル

これは、MRJの納期遅れや性能の問題というより、スカイウェスト社の経営者が変わり、購買方針が変わったためと言えます。 勿論納期遅れも影響した可能性はあります。数百機の注文の内、相当数は解約可能なオプション契約ですから、「想定の範囲内」でしょうが、やはり痛手です。

そしてこれが大きな問題である理由はもうひとつあります。スカイウェスト航空はリージョナル航空業界の巨人であり、リージョナルジェット機を350機も保有しています。それらは、エンブラエル製とボンバルディア製だったのですが、そこに三菱MRJが食い込んだ形の象徴的な受注だったのです。それがキャンセルとなった訳で、事態はより深刻です。

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上記の通り、納期はますます遅れ、新たな注文はパタリと途絶えてしまいました。しかし、ここでうろたえても仕方ない訳で、今はもくもくと頑張るしかありません。当面は米国での型式証明取得に全力を尽くすだけですが、これまでの戦略にミスが無かったか、もう一度見直す必要があります。特にマーケッティングの問題です。

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当たり前ですが、新参者で実績のない航空機メーカーがエアラインに飛行機を売る場合、圧倒的にライバルと差別化できる何かが必要です。

MRJの場合、他社比較でマイナス20%という低燃費が売りでした。その理由の一つは複合材料をふんだんに用い軽量化できることで、もう一つはプラット&ホイットニー社のギヤードターボファンエンジンを使うことでした。

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その昔、YS-11を開発した時も、MU-2型機を開発した時も、それまでのレシプロエンジンより高性能なターボプロップエンジンを使ったことがセールスポイントでした。今回、MRJがいち早く、ギヤードターボファンエンジンに着目したのは良かったのですが、開発が遅れているうちにライバル会社のボンバルディアもこの新型エンジンを採用してしまい、差別化できなくなってしまいました。

ちょうど、YS-11の開発時に、英国のホーカーシドレーが同じターボプロップエンジンを積んだ「そっくりさん」の飛行機を売り出し、商売で負けてしまったのを思い出します。

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より大きな問題は機体の方で、MRJは複合材料を多用した機体がセールスポイントでした。三菱は、F2戦闘機の開発過程で、苦労しながら主翼の複合材料化に成功しています。小型旅客機のライバルメーカーであるカナダのボンバルディアが、機体の複合材料比率を上げると発表した際、三菱の技術者は鼻で嗤い、「できるものならやってみなさい。お手並み拝見といきますか」と余裕で語りました。

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しかし、実際のMRJの複合材料比率は、設計変更の度に小さくなり、現在のMRJの胴体は殆ど金属になっています。多くの機械は、試作段階では革新的な設計なのに、量産段階では保守的で陳腐になる・・という傾向がありますが、この羊頭狗肉はあんまりです。

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三菱の技術者の弁解がまた見苦しいものでした。

「胴体を複合材料にすると、地上で車両と接触した場合などの凹み疵を修理することが難しい。だから、車両がぶつかっても修理しやすい金属製の胴体にした」というものです。

しかし、現代は大型のボーイング777やボーイング787でも胴体は普通に複合材料製です。787では複合材料にしたお陰で、結露による機体腐食の問題が無くなり、客室内の湿度を上げることもできました。なぜ、MRJではそれができなかったか? 小型機は大型機よりも脚が短く、胴体の位置が低いからぶつかって凹みができ易いという説明は信用できません。

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私は、三菱が、戦闘機の主翼では実績があっても旅客機の胴体の複合材料化の技術や設備を持っていなかったからではないか?と思います。 ボーイングの複合材料製の胴体を作っているのは川崎重工です。複合材料の製品は最後にオートクレーブという炉で焼き固める必要がありますが、胴体の場合、大型の筒形のオートクレーブが必要になります。この装置は高価ですし、その操作ノウハウは川崎重工の技術です。

私はこの設備を愛知県の飛島で見学しましたが、担当者の説明では、ボーイングのような大企業が、777型機や787型機の数量を保証してくれたから、大規模な投資に踏み切れたとのことです。

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三菱が売れるか売れないか分からないMRJの為に大型のオートクレーブの導入をためらい、そのために、従来の金属製に戻り、その結果MRJが売れないのだとしたら愚かな話です。

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もし三菱単独のMRJでなく、川重も含めたオールジャパンのJRJであれば、川崎重工が胴体の複合材料化を担当し、より革新的で優れた飛行機ができた筈です。

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このプロジェクトには、国家予算に注ぎ込まれており、このプロジェクトの成否は国民の関心事でもあります。ライバルであるエンブラエルは、ブラジルが国家を挙げて支援し、ブラジルで最も優れた人材を集中して投入したエリート企業です。つまりブラジルにとってもエンブラエルは国家事業なのです。三菱が単独で対応するのはナンセンスです。

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MRJは複合材料の胴体を採用できず、あまり目新しさの無い機体になってしまいました。自慢の低燃費は自社の技術ではなく、プラット&ホイットニー社の技術によるものであり、そしてそれらは、ライバル会社も採用しています。

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ではどうすればいいのか?

それについては、次号で考えてみます。


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【 LCCの人々 その1 】 [航空]

【 LCCの人々 その1 】

 

人の集まる場所には、いろいろなドラマがあります。アジア人初のノーベル文学賞受賞者であるインドのタゴールは、郵便局に集まる人々を描写した「郵便局」の評価が高いようです。そして駅の待合室やコンコースも人の集まる場所であり、ドラマがあります。こちらは文学だけでなく映画の舞台としても、非常に重要です。そして、大空港のターミナルビルも同様に人生のドラマに溢れています。

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http://www.yomiuri.co.jp/national/20180130-OYT1T50152.html

 

http://www.sankei.com/affairs/news/180130/afr1801300058-n1.html

同じターミナルビルでも、エリートビジネスマンが忙しく行き来するラウンジのあるターミナルビルではなく、外国の出稼ぎ労働者の帰国を家族が待つような庶民的なターミナルビルの方が面白いのです。

 

最近は格安航空LCCの利用者が多く、空港では、LCC専用のターミナルを作ったりしています。お金持ちの旅行客から「貧乏人と一緒にいるのは嫌だ・・」とクレームされたのかな?なんて考えてみます。私自身はもっぱらLCCを使っているので、思わずひがんでしまうのですかね。

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しかし、残念ながら、LCCの利用者が問題を起こすことが多いのも事実です。

最近目にした新聞記事を取り上げます。

 

1件目は、茨城空港に到着した中国人乗客が、偽造ビール券を大量に持ち込もうとして逮捕された・というものです。どこにもLCCとは書いてありませんが、茨城空港を発着する中国(上海)便と言えば、春秋航空ですから、これは立派な格安航空LCCです。

 

 

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もともと密輸をする際、大都市の警戒厳重な主要空港を選ばす、場末のローカル空港を使うのが鉄則で、その方が見つからないそうです。ロンドンならヒースロー空港やガトウィック空港ではなく、ルートン空港やスタンステッド空港というロンドンっ子もよく知らない空港が狙われます。

さしずめ、東京なら成田や羽田ではなく、茨城空港ということになるのでしょう。茨城県民としては、少し複雑です。

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そして、密輸したものが、偽造ビール券というのも情けない話です。成田や羽田なら、金塊、ダイヤモンド、覚せい剤・・が対象になるのに、茨城空港は偽造ビール券かぁ。

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しかし、そのビール券についての記載を見て、私は、思わず笑いました。

キリンビールではなく、キリソビールと書かれ、アサヒビールでなくアサビビールと書かれていたそうです。これは偽造犯が良心の呵責に堪えかね、わざと本物と少し変えたのかな?と思えばさに非ず。日本語を理解しない中国人が単純にカタカナをまねて、そして間違えたのです。

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中国に行けば、お店に並ぶのは日本製に似せたカムフラージュ商品ばかりです。特にスナック菓子などは、日本製・・・に似せていますが、どこか奇妙な日本語らしき印刷をした袋に入ったものが並びます。そこにコンプレックスというか、日本製へのあこがれがあるので、複雑な気がしますが、今回の偽ビール券はそうではありません。悪質な偽造です。それでも、ユーモアとペーソスを感じてしまうのは、小沢昭一の文を思い出すからです。

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昭和時代の俳優にして、大衆芸能や大道芸の研究家であった小沢昭一はこう語ります。

「昭和20年代、地方の芝居小屋に行くと、のぼりが立っています。そこには「エノケン来る」と書いてあります。TVの無かった時代、喜劇王エノケンが来るとなると、地元は大騒ぎです。夜の開演時間に観客が殺到すると、そこに現れたのは似ても似つかぬお笑い芸人エノケソだった」というのです。

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昭和の喜劇王エノケンこと榎本健一にあやかったエノケソなる喜劇人が実在したか否か、定かではありませんが、それには騙された観客も苦笑いで、誰も怒らなかったとか・・。

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偽ビール券を印刷して、日本で売ろうとした中国人も罪一等を減じてやりたい気がします。

しかし、もう一つの事件の方は、もっと深刻で考えさせられるものです。

 

それについては次号でご紹介します。


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【 B-737 AEW&C 】 [航空]

【 B-737 AEW&C 】

 

ちょうど北朝鮮が核実験をする前々日、私は韓国から戻ってきました。釜山の金海空港を日本へ向けて飛び立とうとした時、誘導路の前に割り込むようにして奇妙な飛行機が現れ、平行する隣の滑走路から飛び立ちました。

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飛行機の大きさ、オヒョウが乗るボーイング737と同じですが、胴体の上にトサカというかチョン髷というか、奇妙な板状のものを載せています。

「ああ、これがB-737 AEW&C(ピースアイ)機なのか」と気付きました。噂には聞いていましたが、実物を見るのは初めてです。

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AEWCは早期警戒管制機と訳されますが、空飛ぶレーダー兼作戦司令室です。米国のRC-135E-3及び日本のE-767は機体の上に、大きな円盤状のレーダーを据えていますが、オーストラリアや韓国の空軍が持つE-737の場合は、円盤状のレーダーではなく、MESAと呼ばれるレーダーの大きな板状のアンテナを載せています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0737_AEW%26C

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この奇妙な飛行機が飛び立つのを見て、ちょっと嫌な予感がしました。「これはどういうことなのか?」。韓国滞在中、韓国のTVは、北朝鮮が相次いでミサイルを発射したニュース、杭州のG20のニュース、そしてHANJINという韓国の大手海運会社の経営破綻のニュースで持ちきりでした。だから弾道ミサイルの発射の監視に飛び立ったのか?と思ったのですが、少し変です。

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北朝鮮が発射する弾道ミサイルには、陸上型(固定式と移動式があります)と、潜水艦発射型の2種類がありますが、今、注目されているのは潜水艦発射型です。もし次の発射に備えて、潜水艦を監視するなら、B-737 AEW&Cではなく、対潜哨戒機であるP-3Cの方が適しています。それにハイテクの現代とはいえ、洋上を飛んで探索するなら、日没が迫った時刻よりも明るい日中の方が適しているのは間違いありません。

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これは、潜水艦発射型の弾道ミサイル発射の兆候を探るための飛行ではないな・・・?

早期警戒管制機が得意とするのは、空中を飛ぶ物体と、地上の施設、そして海上にある水上艦艇の探索です。基本的に地上のレーダーでも海上のイージス艦でも同じ探索ができますが、高い上空を飛ぶ方が、遠くまで探索できます。当たり前ですが、地球は丸く、より高い位置からの方が、遠くまで見渡せるのです。

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B-737 AEW&Cでは、高度9000m600Km先の施設や物体を把握できるはずです。

それなら北朝鮮に領空に入らなくても、かなり内陸の地域までレーダーで探索することができます。 つまり、韓国のB-737 AEW&C機は、潜水艦発射ミサイルを追いかけていたのではなく、陸上の何かを探っていたのかも知れません。 それはミサイルではなく核実験だったのかも・・・。

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北朝鮮の核実験は、秘密裏に行われるのが普通ですが、周辺諸国にはバレバレです。 だから、米国などは、WC-135と呼ばれる核実験調査専門の偵察機が事前に本国から沖縄の嘉手納基地がグアムに飛来して待ち構えています。 今回の核実験でWC-135が極東に飛来していたかは不明ですが、日本は上空の大気の塵を収集できるT-4型練習機がすぐに離陸しています。どうやら北朝鮮の核実験は事前に予想されていたみたいです。 

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SIGINTと呼ばれる情報収集には、大別してELINT(レーダーなどでの電波情報収集)、COMINT(音声会話やデータ通信傍受)の2種類があり、それぞれ、専門の航空機を用います。 特にELINT機と呼ばれる情報収集機は奇妙な形のアンテナを付けた奇抜な恰好の飛行機が多く、滑走路にどんな格好の飛行機がいるか・・・で、今どんな事態になっているか、分かるのです。 前述の繰り返しになりますが、もし嘉手納基地やグアムの基地にWC-135がいれば、それだけで北朝鮮が核実験をするか、あるいはした事が分かるのです。

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今の日本は専守防衛が前提ですから、自衛隊が持つ、敵を攻撃するための武器はあまり充実していません。その分、逆に情報収集や哨戒機能については装備が充実しています。米国も日本の自衛隊にはインテリジェンス機能(つまり情報収集機能)を期待しています。地理的にみて極東にある日本と韓国が情報を取る上で有利であり、それを米軍が活用するという構図です。

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その是非はともかく、日本は斥候としては優秀なようです。その能力は公開されませんから、うかがい知る事はできませんが、例えば、樺太沖で大韓航空機が旧ソ連の戦闘機に撃墜された際のパイロットの交信が非常に鮮明に録音され、何が起こっているかを瞬時に判断し、米国とその情報を共有していたというのは驚きです。公開されたのは通信傍受だけですが、それに加えてレーダーによる追跡も正確に行われていたようです。 日本の自衛隊は、旧ソ連軍のベレンコ中尉がミグ25に乗って北海道に飛来した一件以来、情報収集能力を大幅に向上させています。

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大規模な戦争の場合、情報戦は重要です。敵の通信を傍受し、敵の暗号を解読し、攻撃に備えたり、裏をかくことができれば圧倒的に有利になります。 第二次大戦では情報戦に勝利した方が勝っています。 でもそれは戦時下の話です。

情報収集能力が役に立つのは、実際に戦争を行っている最中、もしくは開戦が予想される段階です。平時に於いて、しかも戦争を放棄した我が国では、情報収集能力は宝の持ち腐れかもしれません。

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実際、核実験やミサイル発射が予め分かったからといって何の役に立つのか?

現に、どんなに偵察能力に優れていても、どんなに優秀なスパイ衛星を使っていても、北朝鮮がミサイルを発射して日本のEEZに着弾させたり、核実験をすることを止めることはできません。 拉致被害者を取り戻すこともできません。 全く無力です。

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日本の自衛隊のインテリジェンス能力は、米軍には重宝されるけれど、隣国の暴挙を止められないのです。

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それを考えていると、唐突ですが、映画「男はつらいよ」に出てくる、インテリ男と寅さんの喧嘩を思い出します。

インテリの方は何でも知っていますし、弁はたちます。口論で無学な寅さんを言い負かすことはできますが、腕力をふるう訳にはいきません。 結局寅さんを屈服させることはできないのです。寅さんは「てめぇ、さしずめインテリだな?」と言って、口論を拒絶してしまうのです。インテリのある種の弱さを揶揄するというのは、映画「男はつらいよ」シリーズのひとつの重要なテーマでした。

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日本は、北朝鮮を屈服させたり、北朝鮮に圧力を加え、影響力を及ぼそうなどと考えている訳ではありません。 ただ、拉致被害者を帰せ、そして日本にミサイルを飛ばしたり、核の恫喝をするのを止めろ・・と要求しているだけです。具体的には国連決議を順守しろと言っているだけです。 至極、正当な要求をしているだけです。

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しかし、話し合いと経済制裁などの非軍事的圧力だけでは、その正当な要求も無視されるだけです。 何かいい知恵はないものか?

そうです。外交の重要問題を解決するのは知識(インテリジェンス=intelligence)ではなく、知恵(インテレクチュアリティ=intellectuality)なのです。 

高価で奇妙な形をした飛行機よりも、一人の知恵のある政治家がいれば、多くの問題が前進し、解決するのですが、今の日本にはそれがいません。 ついでに言えば韓国にもいません。


【 お客様の中にどなたか・・ その2 】 [航空]

【 お客様の中にどなたか・・ その2 】

 

飛行機の中で具合が悪くなるのは、人間だけではありません。むしろペットの動物の方が強いストレスを受けます。 昔、学校にいた頃、生体の振動について学んだのですが、胃袋の固有振動数と乗り物酔いに関係がある・・という論文を読みました。

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食道などにぶら下がる形の胃袋は固有振動数を持ちますが、外部から加わる振動の振動数と合致すれば、一種の共振(自励振動)が発生し、乗り物酔いが起こります。

一般に乗り物の振動は大人の胃袋の固有振動数より高周波なので、大人はそれほど酔いませんが、それでも、低周波の波に揺れる船では酔います。胃袋が小さく固有振動数が高い子供はバスでも乗用車でも酔います。私の次男などは、幼児の頃、飛行機に乗るたびに嘔吐していました。

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人間の子供ですらそうなのですから、もっと胃袋の小さいペット(小型犬)にとって、乗り物の乗ることは、さらに強いストレスです。そしてペットの多くは飛行機では与圧された貨物室に入れられます。

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しかも人間の場合は、飛行機に乗る目的、予想される環境や搭乗時間が明らかになった上での経験ですが、ペットの場合、訳も分からず、飼い主から離され、暗く狭い空間に閉じ込められ、運ばれるのです。 騒音・振動はありますし、与圧するといっても、地上より減圧してしかも乾燥した大気の中に置かれるのです。

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貨物室のドアが閉まるまでずっと鳴き続けていた犬もいましたし、ストレスのために機内で死んでしまう犬もいるそうです。

http://matome.naver.jp/odai/2137665792959431201

これではいけない・・とばかり、最近は各エアラインが競争で、ペットを客室に持ち込めるようにするサービスを開始しました。 私自身が試した訳ではないので、確たる証拠はありませんが、この種のサービスが最も進んでいるペットに優しいエアラインはエアカナダだそうです。

http://www.aircanada.com/jp/travelinfo/airport/baggage/pets-in-cabin.html

http://continental-ps-jp.jimdo.com/%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%A9%9F%E5%86%85%E6%8C%81%E3%81%A1%E8%BE%BC%E3%81%BF/

エアラインがペットの機内持ち込みに寛容になり始めたのは、下記の2つの理由からです。

(1) リゾート地などに出かけるお客に、(家族の一員である)ペットの同伴・同席を求める声が高くなったこと。

(2) 国際線の場合、ペットにとって、さらに苦痛でストレスだった動物検疫所での長期間の検疫保管がマイクロチップの埋め込みなどで、簡略化されてストレスがなくなり、ペットの飛行機での移送が増えると同時に、相対的に機内のストレスの方がクローズアップされたこと。

http://world.relocation.jp/navi/guide/post-28.html

 

ペットを粗略に扱って、お客の印象を悪くすると、エアラインにとっては大変です。お犬様には客室で座席に座っていただくのが適切です・・・・そうかな?

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しかし、これはこれで問題があります。 盲導犬や介助犬のように適切な訓練を受けた犬ならともかく、普通の犬なら慣れない環境に不安を覚えてパニックになる可能性もあります。飛行機酔いでそそうをする可能性もあります。ケージに入れたとして、荷物棚には入れたくありませんし、足元にも置けません。 人間と同じように、座席を占領することになるでしょうが、混雑する便では、「お犬様に、一席分確保するのか?」ということになります。

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それにいくら客室に入れたとしても、振動・揺れは貨物室と同じです。気分が悪くなるペットがでてきます。気圧も低いし乾燥しますから、犬の鼻も乾燥します。 具合が悪くなる犬は、貨物室にいても客室にいても、悪くなるのです。

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そのうち、スチュワーデスが通路を小走りに走り、「お客様の中に誰か、獣医さんはいらっしゃいませんか?」と呼びかける日がきっと来ます。


【 お客様の中にどなたか・・ その1 】 [航空]

【 お客様の中にどなたか・・ その1 】

 

映画などで、時々お目にかかるシーンですが、飛行機で急病人が出た場合に乗客の中に医師を探すことがあるそうです。私自身は経験したことがありませんが、客室乗務員が、通路を歩きながら医師を探す訳で、映画やTVドラマなら、そこでスーパーマンのように医師がすっくと立ち上がり、命の危険にさらされている患者に適切な治療を施し、危機を脱する形となります。現実にはそんなにうまくいくとは思えないのですが・・・。NHKの番組「ドクターG」にも飛行機内の急患に対応する救命医の話が複数回登場します。

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外国の場合ですが、飛行機の搭乗手続きやホテルの宿泊名簿に記入する際、署名欄の上に肩書きを選択する欄があり、Mr. Mrs. Miss  Ms. と並んでDr.とあります。

これは、医者が必要な時に探すための登録だ・・という都市伝説がありますが、それは嘘でしょう。単に欧米的な教養主義の発想で、高い学識を備えた人にはそれなりに尊称をつけて呼び、礼を尽くす必要がある・・というものだと思います。

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実際、Dr.といったって、医師ばかりとは限りません。私の周囲には工学博士、理学博士、PhD. 文学博士もいます。急患が発生して緊急医療が必要になっても文学博士が役に立つとは到底思えません。でも彼らもDr.です。それに医学博士だって医師とは限りません。医師でない医学博士も大勢います。

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その逆で、博士論文が通る前の医師なら、厳密には博士と呼ません。医師国家試験を通れば医師ですが、博士とは限らないのです。少しややこしいのですが、医師をドクターと呼ぶのは、紛らわしくてかないません。

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そのドタバタを避けるためか、JALANAが医師登録制度を始めました。予め医師の登録しておけば、機内で急患が発生した際に、すぐ対応できるというものです。

既に医師の登録は進みつつあり、制度の運用は9月からとのことです。多くの人がこの制度を歓迎しています。しかし、そう簡単にいくとは思えません。問題はたくさんあります。

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1.医師の資格と権限、責任は?

医師なら誰でもいいというものではありません。生理学や病理学を研究し、臨床から遠ざかっている医師が、救急医療の現場ですぐ対応可能かは不明です。むしろ、ベテランの助産師や看護師の方が処置能力に優れる場合もあります。

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国際線なら、多くの国の医師が乗っていますが、国ごとに医師免許は違い、専門知識のレベルも違います。最近は減りましたが、かつて中国には「裸足の医者」が存在しました。小学校を卒業しただけで、人民に奉仕したいという思いから医師を営んでいるのですが、彼ら/彼女らにできるのは、赤チンを塗って包帯を巻くぐらいです。 アフリカではブゥードゥー教の祈祷師が医師を兼業しています。もっぱら祈って、薬草や煙を体にあてることで悪霊を追い出し、病を治すのだそうです。仮に飛行機の中で病気になってもそれらの医師のお世話にはなりたくないものです。

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なるだけやりたくないのは医師の方も同様でしょう。機材が不十分な機内で難しい医療行為が必要になる場合があります。 万一不幸な結果になった場合、責任問題が生じ、訴えられる可能性もあります。 地上の病院であれば手術への同意書への署名を求めることができますが、空の上ではそれもできません。

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2. 医療費の請求は?

患者が健康保険証を携帯しているか否かにもよりますが、恐らくは時間外診療でそれなりに費用が発生します。医師は機内でカルテと診療報酬請求の書類を作成するのでしょうか? もし、患者が国民皆保険ではない国の人で、旅行保険にも加入せず、医師も自由診療を前提とする米国人医師だったら高額の診療になります。米国人同士ならともかく、患者が低所得国の貧しい人だったら払えない・・という問題がでてきます。 逆に英国のように、基礎的な医療費が無料の国の人だったら・・さらに事態は複雑です。 航空会社が肩代わりするというのが現実的ですが、エアラインにそこまでの責任はあるのか?ということになります。

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3. 医師にどう報いるか?

機内での医療活動をボランティアとみなせば、医療費発生の問題はなくなりますが、責任重大な医療行為を求められる医師に報酬なしという訳にはいきません。かといって登録するだけで金銭的な報酬を渡す訳にもいきません。ボーナスマイレージを付けるという方法もありますが、高額所得者が多い医師がマイレージを貰って喜ぶかは疑問です。ファーストクラスのラウンジを医師に開放するという方法もありますが、これも問題です。 医師の出張は学会への参加が多いのですが、ある都市で大きな医学会が開かれたら、その時期の飛行機は医者だらけになります。 医者だけでラウンジがパンクし、他の乗客が締め出されます。

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4. 限られた医療器具でどう対応する?

昔の映画「カサンドラクロス」では国際特急列車の中で、猛烈な伝染病が発生し、列車ごと隔離されるという事態が発生します。 たまたま乗り合わせた主人公の医師が、「持ち合わせたアスピリンとティッシュペーパーだけで、一体どうしろというのだ」と嘆く場面が登場します。 飛行機の中も同じようなものです。 救急箱に聴診器、血圧計、体温計、AEDぐらいは装備されているでしょうが、これは医師にとってははなはだ不十分な装備でしょう。 しかし、多くの薬品や輸血用の血液を常備するとなると、保管期限の問題もあり、飛行機に積むのは現実的ではありません。

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では、問題山積の中、どうするか? 私の提案は医師に頼らずに、客室乗務員に救命措置の技術を学んでもらい、緊急時に対応してもらうことです。

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近年、大衆化が進むというか、レベルが下がったというか、お給料もさがりつつあるのがスチュワーデスと呼ばれた客室乗務員です。昔のような高級感溢れる職業に戻すには、何らかのレベルアップが必要です。単なる客室乗務員であれば、業務内容の高付加価値化には限界がありますが、看護師、救急救命士、助産師の資格を持てば

業務内容の幅が広がり、高度な専門職としての位置づけができます。飛行機の乗客もより高度なサービスを受けられます。

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そもそも、日本では医師が自分達の縄張りを守るために、医師法で医師以外の人ができる医療行為を厳しく規制してきました。以前は救急車の運転手には点滴の針を抜くことも許されず、患者を搬送できない・・という馬鹿げた事態もありました。 痰が詰まって苦しむ患者をみても医師でない家族には痰の吸引作業もできませんでした。

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最近は、パラメディックとかパラメディカルスタッフと呼ばれる医師以外のスタッフに、かなりの医療行為が許されるようになり、事態は改善しています。救急救命士には最低限の医療行為が認められています。

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そこで客室乗務員に、救急救命士の資格を取ってもらえばいいのです。飛行機が着陸し、救急車やドクターカーに移すまでの時間稼ぎができればいいのですから、それだけでも大きな効果があります。 欲を言えば、助産師や看護師の資格も欲しいところですがそれには長期間の専門機関での教育が必要になります。

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健康な人が突然昏倒するような病気(つまり卒中発作)は、脳、膵臓、心臓等、原因となる臓器はある程度限定されるそうです。学ぶべき医学知識は、ある程度限られます。そう考えると機内で突然倒れた人を着陸するまでの一定時間延命させるだけの処置を客室乗務員に求めることは決して非現実的なことだとは思えません。

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私は、ある意味で個人情報にも関わる医師登録制度よりも、客室乗務員に緊急医療行為を委ねる方が現実的ではないか?と思います。

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そして、飛行機のサービスには、それ以外の問題もあるのです。

 

それについては次号で管見を述べたいと思います。

 

以上


【 ホンダジェットについて思うこと その4 どこの誰に売るか? 】 [航空]

【 ホンダジェットについて思うこと その4 どこの誰に売るか? 】

 

製造業にいると、どんなにいい製品を作っても売れなくて悩むことがあります。ビジネスジェット機のようなニッチな市場で仕事をしようとするならなおさらでしょう。 前述した三菱のMU-300のような例もあります。

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自分たちではどうしようもない、巡り合わせもあります。米国の場合、9.11の同時多発テロが起こると、ビジネスジェットの需要が増えました。乗り合いの飛行機と違い、テロに遭う可能性が低いからです。 ITバブルが起こると、濡れ手で粟の大金を掴んだにわか成金がビジネスジェットを買います。節税対策にもなるのでしょうか?

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一方、リーマンショックで不景気になると、誰もジェット機など買いません。経営が行き詰った米国の三大自動車メーカー(ビッグ3)の経営幹部がワシントンの公聴会に出向いた時、それぞれがビジネスジェットに乗ってデトロイトからワシントンに来た事が分かり、非難されました。その次の回は、自社のエコカーを運転してワシントンに出向いたとのこと。そうなると、経営状態の悪い会社の幹部は、ビジネスジェットに乗れません。需要は冷え込みます。

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それはともかく、潜在的な需要はまだあるものの、米国で売れるビジネスジェットの数には限りがあります。米国でマイカーならぬマイ飛行機を持つ人あるいは中小企業は、まずプロペラ機を持ち、次の段階でジェット機に乗り換える場合が多いそうです。

三菱はMU-2からの乗り換えを狙ってMU-300を出しましたし、ビーチクラフト社はプロペラ機しか持っていなかったため、ジェット機に乗り換えるお客をみすみす逃してきました。だからジェット機が欲しかったのです。

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サイテーションを手に入れる前のセスナ社もそうでしたし、ムーニー社なども同様です。

だから、いまプロペラ機に乗っている人や会社を数えれば、将来売れるジェット機の数もある程度予測できます。そして米国では、ビジネスジェット機の市場はそれほどの急成長は見込めません。

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一方、日経新聞によれば、ハネウェルインターナショナルの予測は、向こう10年間に、世界で売れるビジネスジェット機は9200機(2700億ドル)だそうで、これは今よりもかなり多い数字です。これは北米や産油国以外の需要・・つまり中国での需要を当て込んでいるからと思われます。

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それならホンダジェットも米国で生産し米国で売る事だけを考えずに、中国で売る事も考えるべきでしょう。先行するライバル各社(セスナやエンブラエル)も、中国での実績はなく、条件は同じです。ヨーイドンで同じ条件で商売できます。

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中国の場合、経済成長で成金が増えて、自家用機を希望する人が増えています。その背景には、広い国土と、公共交通機関の未整備があります。もちろん高速鉄道網は随分伸びましたし、高速道路網も充実してきました。でも対人口比ではまだまだ足りません。旧正月の帰省の際、交通機関の切符を入手するのは、いまだに大変なのです。そして、中国には富と権力を品物で顕示したいという成金趣味があります。

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そういう事なら、自家用機が売れる見込みもある訳ですが、この国固有の事情があり、そう簡単ではありません。実は空域の多くを軍隊が管理しており、管制はすべて軍用機優先で行われているのです。民間機は軍用機が飛ばない時間帯を選んで飛行しますが、渋滞して飛行計画には慢性的な遅れが生じています。北京では首都空港に加えて第二空港を建設する予定ですが、空域が混雑している現在の状態が解消しない限り、空港を増やしても問題は残り、渋滞と遅れは続きます。 そんななかでジェネアビと呼ばれるビジネスジェットが入り込む余地はすくないのですが・・・。

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しかし中国政府も現在の状況は良くないと考えているようで、近い将来、空域を空軍から民間に大幅に開放する・・という予測があります。そのタイミングがホンダジェットにとってチャンスです。 急がないと、中国の景気が大幅に後退して、航空機の購買意欲が減少するかも知れません。あるいはジェット機を買う余裕のある富裕層は国外に脱出してしまうかも知れません。 あるいは、中国の地元企業に真似をされて、主翼の上にエンジンを載せた飛行機を作られ 「中国には4000年も前から主翼にジェットエンジンを載せた飛行機があった。中国のものが正統でホンダジェットは模倣だ」などと言い張られてしまうかも知れません。

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航空機を売る場合、メンテナンス網の構築が重要です。 故障した場合、遠隔地でも交換部品をすぐに届けられる態勢が重要です。また点検・修理できる技術者を各拠点空港に配置することも必要です。修理待ちあるいは部品交換待ちで高価な飛行機を遊ばせておくことは許されません。顧客の不便と機会損失はなんとしても避ける必要があります。 

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そうなると、中国の主要空港全部にサービス拠点を作る必要がありますが、ホンダはセスナ社やエンブラエル社と比べて、有利な点があります。それは既に確立している、自動車販売網のネットワークを活用できるということです。広州本田汽車とのコラボで

飛行機部品の供給ネットワークが築けるのです(エンジニアの方は簡単ではありませんが)。これは、セスナには真似のできないことです。

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中国で飛ばすためにも中国の型式証明が必要ですが、問題はありません。日本の型式証明がそうであるように、米国のFAAで取得していれば、比較的に簡単に取得できるはずです。

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中国人の経営者が、「祖父はホンダのカブに憧れていた。父は頑張って広州本田のアコードを手に入れた。そして僕はホンダジェットに乗っている・・」と感慨に浸る時代がその内やってきます。

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ああ、余計な事ですが、中国向けだからといって、ホンダジェットの客室のトイレをおろそかにしてはいけませんよ。中国のトイレが開放的で、個室でなかったのは、遠い昔です。経済発展と生活の向上で中国のトイレ事情は急速によくなっています。

だから、中国向けのホンダジェットには、TOTOのウォシュレットを備え付けた方がよいでしょう。 日経新聞には書いてないけれど。


【 ホンダジェットについて思うこと その3 飛行機のトイレ 】 [航空]

【 ホンダジェットについて思うこと その3 飛行機のトイレ 】

日本経済新聞の記事では、ホンダジェットも含めたVL(ヴェリーライト)機の航続距離は2200Km程度で、ニューヨークとマイアミの間を飛べるそうです。ロンドン=ローマ間も飛べるそうですが、その持つ意味については語りません。私はこれではビジネス用途としては、全く不足だと思います。換言すれば、VLのカテゴリーに属するジェット機は趣味やレジャーのための飛行機で、本当のビジネスジェットではないということです。

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アメリカでビジネスマンが求める移動とは、”Coast to coast”つまり、東海岸から西海岸までです。もっと言えば、ニューヨークからロサンゼルスまで無着陸でなければ仕事に使えません。途中シカゴで燃料補給するくらいなら、航空会社の大型ジェット機の方が便利になります。そしてニューヨークとロサンゼルスの距離は約4000Km、ホンダジェットでは全く足りません。

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自家用機の世界最大の祭典であるオシュコシュのエアショーには毎年ホンダジェットが飛来し展示されますが、ノースカロライナのグリーンズボロからウィスコンシン州のオシュコシュまでの飛行は、ホンダジェットにとってはギリギリの距離です。藤野社長自ら操縦したのかどうかは分かりませんが、パイロットにとっては、嫌な距離です。

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それならなぜ、ホンダジェットの飛行距離を延ばさないのか?他のVLカテゴリーの飛行機には余裕が無いでしょうが、ホンダジェットの場合、余裕があり、もう少し主翼長を長くする・・つまり機体の幅を広くすれば、航続距離は伸びます。主翼延長の効果はさまざまにありますが、最大の効果は、翼内の燃料タンクを大きくできることです。

何も、他のVLカテゴリーの機体に遠慮して同じ性能にする必要はなく、ホンダジェットはCoast to coast がノンストップです・・と言えば、確実に興味を示す客は増えます。

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新聞記事には、航続距離に難ありとは書いてありません。これではただの提灯記事ではないか? そして新聞には、VLカテゴリーには珍しくホンダジェットは個室のトイレを設置しており、これは差別化できる特長である・・と書いています。なるほどね。

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実は、その経験を日本は50年も前に経験しています。 三菱が、当時ビジネス機には珍しいターボプロップエンジンを載せたビジネス機MU-2を開発して販売した時、アメリカで注目され、高い評価を受けました。しかし、強い要望も出されました。それは客室内にトイレを付けて欲しい・・というものです。そこでMU-2の次のタイプからはトイレが付いたそうです。ホンダジェットが初めてではないのです。

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なぜ、トイレを付ける要求がでたか?それは一言で言えば乗客の中に女性がいたからです。どうして三菱はトイレをつけ忘れたか?それはそれまで三菱は飛行機に女性が乗る事を想定していなかったからです。

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三菱がそれまで作ってきた軍用機などの飛行機は基本的に男性が乗るものでした。男性の中でも、特に“覚悟して飛行機に乗る人”が対象でした。一般人が電車に乗る感覚でお客として搭乗するものではなかったのです。乗客を想定した飛行機は、日本ではDC-3を国産化した旅客機が最初で、次は国産初の旅客機YS-11でしょう。それらには無論トイレはありますが、逆に言えば、それ以外は無かったということです。

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搭乗者が限られた男性だけなら、トイレは要りません。尾篭な話で恐縮ですが、ビール瓶とジョウゴぐらいがあれば、事足ります。 しかし女性が乗っている場合はそれでは済みません。

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ビジネス機はVIPやお金持ちの為のものですが、当然ながら女性も乗ります。 VIPの奥方が乗ることもありますし、女性秘書も乗ります。VIP自身が女性の場合もあります。そして飛行時間が2時間以上のフライトではトイレは必ず必要です。いや、30分以上のフライトとすべきかな?そのあたり、私にはよく分かりませんが、いずれにしても、MU-2MU-300もホンダジェットもトイレは必要です。 そしてそのトイレが個室である必要があるのは、言うまでもないことです。ちなみに日本の国産機で初めてトイレを備えた飛行機は川西の大型飛行艇である二式大艇だそうです。ただし個室ではなくオープンタイプだったそうです。

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実はトイレに困るのは、ビジネスジェットの乗客だけではありません。エアラインの旅客機を使う超肥満の人も困るのです。最近米国の旅客機では離陸前に客室乗務員が安全ベルトの延長ベルトを配ったりしています。偶然、私オヒョウと目が合ったりすると、私はすぐに目をそらして窓の外を見ます「確かに僕は太っているけれどまださすがに延長ベルトは必要ないぞ」と心の中でつぶやきながら・・・。

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肥満体の乗客の安全ベルトに気を遣うエアラインですが、トイレの狭さについては無頓着です。そして一定以上の肥満体の乗客には、狭い機内のトイレは使えないのです(オヒョウのことではありません)。 例えば相撲取りです。彼らはたまにハワイ巡業やパリ巡業に出かけますが。機内のトイレは狭すぎて入れない人もいるそうです。入れても出られない人もいるそうです。あるいは出られても、トイレ内でお尻が拭けない人もいるそうです。 だんだん話が汚くなって恐縮ですが・・。

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現役の相撲取りだけではありません。例えば、元大関のコニシキ、もう他界したけれど、トンガの国王だったツポウ4世などは、飛行機のトイレに苦労したでしょう。 そうなると長距離便の飛行機に乗る前は、減量中のボクサーと同じで、水分も固形物も口にできないことになります。 そうなると、ファーストクラスに座っていても、エコノミークラス症候群になるかも知れません。

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話が脱線しましたが、あえてビジネスジェットに乗る人はエアラインの飛行機ではいろいろと不都合があるから乗る訳です。 つまり、待ち時間が待てないとか、直行便が無いからとか、一般乗客と同じロビーで待つのが嫌だ・・とか、有名人で顔を知られているから嫌だ・・とかいう理由ですが、その中に普通の旅客機ではトイレが使えないから・・という人もいそうです。

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それなら、それを逆手にとって、大型旅客機よりずっと広いトイレを用意した飛行機を作れば、必ず需要はあるはずです。小型ジェット機ですから機内空間自体は狭いのですが、定員を犠牲にしてトイレに凝る・・というのもマーケティングとしてありです。

赤ちゃんのオマルみたいに小さな便器を載せて壁で覆い、トイレを設置しましたというのは、ライバルのセスナぐらいに任せておけばいいのです。

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そして日本には、旅客機のギャレーやトイレに関しては世界一のジャムコがありますから、相談に乗ってくれるはずです。横綱でも大丈夫なトイレ・・・のついたホンダジェットを作れば、そう、モンゴル辺りで売れるかも知れません。

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日経新聞の記者はホンダジェットにトイレが付いているだけで感心していましたが、それじゃ50年前のレベルです。そのトイレは顧客の要求を満たしているのか、改善の余地は無いのか?・・・を考えて記事を書くべきです。

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そして、そう考えていくと、ホンダジェットにはより大きく本質な問題・・というより希望があることが分かります。

それについては次号で


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